エスプレッソコーラは、障害児の療育施設で働く保育士さんのドキュメンタリータッチなマンガです。
そんなにネタバレなし。
ゆり子さんというおそらくほんとに保育士されている方の作品です。
Kindleをスマホで使えることを最近知り、(タブレットしかダメだと思ってた)
今まで紙でしか読まなかったものもKindleで読める嬉しさ!
を今になり噛み締めながら読みました。
全部で90話くらいあって、無料。
でも1話が濃くてまだ40話くらいなんですけども。
✴︎ドキュメンタリーぽいと書きましたが、たぶん出版社を通さない、ゆり子さんの個人配信で、個人の特定や情報がもれないよう登場人物や設定は明らかに架空です。
絵はね、遠慮なく言わせていただくとヘタです。
背景とかほぼ書き込みなし、表情も動きもパターンが少ないし、電話を持つ手があり得ない角度と指の並びだったり、たまに、どれが誰が分からない時もあるんですが、
シナリオの運びがうまくて、ぐいぐい読め、3回泣きました。
そっか、物語がおもしろければ絵はヘタでえーのかと。
自閉症や発達障害、知的障害、ほんとにいろんなパターンの子どもと親がテーマになってまして、
現場で行われる療育がリアルに語られていて、子育てにおける実益価値も高く、
作者のゆり子さんは今おいくつで、どれくらいの経験を持ってるのかも分からないのですが、私はこのゆり子さんの成熟した子育て視点に、とても共感しています。
子どもの視点、お母さん、お父さんの視点、支援者の視点、それぞれに偏ることなく描けるのは、現場をよく知るだけでなく、日頃から問題意識を持ちながら、療育の制度や福祉のあり方までを考えている方だからだな、、と感銘をうけています。
特にエスプレッソコーラでは、お母さんの負担、苦労やストレスあたりを実にきめ細かに描いてます。当作品に登場するお母さんたちと同じく、子育てにおけるお母さんに偏る負担やストレスが素通りされ、むしろいらぬ圧を与えられがちな状況で、どう自分を守り、子育てや人生を楽しめるか、に悩む私は、思いがけず励まされました。
そして、前からうっすら思っていたのですが、
数年前までよく知らなかった障害児向けの「療育」ってやつが、その根本にある子どもの自立や社会参加を目的とする支援の主旨としては、障害の有無関係なく、すべての子どもに必要な要素だよなと、改めて思いました。
子育てのいちばんの目的は、彼らが大人になってから自分の力で生きていけるよう成長を手助けすることです。
けれどもそれが、なんだかとっても難しかったりするのは、そもそも大人が全然幸せじゃなくて、むしろ辛くて、疲弊していて、諦めていて、困っているからかなと思います。
そんな悲しい社会なのに、一億総中流とか、フツーに生きれば普通に幸福なはず!な幻想のフィルターが力を発揮しまくっていて、まあまあな多数にとってさえ、まあまあ生きにくくて、まあまあ助けてもらいにくく、自己責任にされがちで…という現実が、あまりに人の目に留まらない仕組みにされていて、困った大人たちの問題解決が全然進まないってことなんかなと思うのです。
大人に余裕がなくなれば→子どもたちは…いわんや。
資本主義社会には経済を永遠に上向きにしないといけないというクセがあり、クセつよの中では求められる優先順位が、辛気臭い社会の問題提起だとか改革なんかではなくなり、もっと働かなきゃとか、もっと儲けなきゃとか、もっと世の中に追いつかなきゃとか、マイノリティのものだと売り上がらないとか、あんなインフルエンサーママみたいにならなきゃとか、保育園や学校や近所のママ友間で炎上しないようにしなきゃとか、めっちゃ保守的になっていきがちで、空気が薄いっていうか、酸欠。
そんななかで、
儲けとか知らん顔で
この世の隅っこにある
リアルや声を
拾い上げるコンテンツって
ほんと大好きです。
私が隅っこをつついて
そこにこそ価値を感じるのは、
隠キャのねたみ?ルサンチマン?
なのかもしれません。
そんなことは問題ではなくて、
だって、
エスプレッソコーラを読んでると
くじけず生きよう!と思えますもの。
心に響くんですもの。
そして、
実際、手と足を動かして
弱い立場を支える職人仕事🟰保育士、児童発達支援の現場
というものをリスペクトした次第です。
たとえば
虐待してしまうお母さんを責めても虐待は全然防げない
だったらどうするか
↓
お母さんごと支援する
この発想ですよね。
大事なのは。
子どもを支援するには家族ごと支援が必要で、
それが紛れもない「現実の解決策」であることが
もっと広く、北欧みたいに浸透したらいいのにな。
